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【この世界の片隅に】8月1日劇場公開!終戦から80年を迎える2025年8月に再上映!ネタバレやレビューも紹介!

※本記事では、ネタバレを含みます。まだ作品をご覧になっていない方は、ぜひ一度ご自身の目でこの物語を味わってから読んでいただくことをおすすめします。

あの名作が、再びスクリーンに帰ってきます――。
戦争の時代を生きた一人の女性の、静かで力強い日常を描いたアニメ映画【この世界の片隅に】が、2025年8月1日より全国劇場で再上映されます。終戦から80年という節目の年に、改めて「平和とは何か」を見つめ直すきっかけとなる本作。

この記事では、

・【この世界の片隅に】のあらすじが知りたい!
・【この世界の片隅に】ネタバレが知りたい!

そんな方に向け、物語のあらすじや登場キャラクター、声優キャストなど、作品を深く味わうための情報を丁寧にまとめています。初めて鑑賞する方はもちろん、過去に観た方にとっても、再び作品の魅力を再発見できる内容となっています。ぜひ最後までご覧いただき、本作が描く“日常の尊さ”に触れてみてください。

(C)2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会

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【この世界の片隅に】作品概要

2016年公開時ポスター
(C)2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会

何気ない毎日が、どれほどかけがえのないものだったのか――
【この世界の片隅に】は、戦時中の広島・呉を舞台に、ひとりの女性が日々の暮らしを大切に生き抜く姿を描いた感動作です。激動の時代の中でも変わらない、ささやかな幸せや家族の絆。静かで丁寧な描写が、多くの人の心に深く残るこの作品。まずは、そんな本作の基本情報からご紹介します。

作品情報

タイトルこの世界の片隅に
劇場公開日2025年8月1日
初公開2016年11月12日
上映時間126分
制作年2016年製作
配給東京テアトル
監督片渕須直

あらすじ

第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックを、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直監督がアニメ映画化。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。

昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。

のんが主人公すず役でアニメ映画の声優に初挑戦。公開後は口コミやSNSで評判が広まり、15週連続で興行ランキングのトップ10入り。第90回キネマ旬報トップテンで「となりのトトロ」以来となるアニメーション作品での1位を獲得するなど高く評価され、第40回日本アカデミー賞でも最優秀アニメーション作品賞を受賞。国外でもフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門で審査員賞を受賞した。

終戦80年を迎える2025年8月に再上映。

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出演声優

役名声優名
北條(浦野)すずのん
北條周作細谷佳正
水原哲小野大輔
黒村径子尾身美詞
黒村晴美稲葉菜月
浦野すみ潘めぐみ
白木リン岩井七世
北條円太郎牛山茂
北條サン新谷真弓
浦野十郎小山剛志

【この世界の片隅に】登場人物を詳しく紹介

物語を彩るのは、どこにでもいそうで、どこまでも愛おしい人たち。
【この世界の片隅に】には、戦時下という過酷な時代を懸命に生きる、温かくも芯のある登場人物たちが描かれています。それぞれが日常の中で葛藤し、喜び、悲しみながらも、確かにそこに「生きている」ことが伝わってきます。ここでは、そんな魅力あふれる登場人物たちをひとりずつ詳しくご紹介します。彼らの背景や関係性を知ることで、作品の世界がより深く感じられるはずです。

北條(浦野)すず(CV:のん)

絵を描くのが好きで、どこかぼんやりとした雰囲気をまといながらも、芯の強さを持った女性。広島市・江波で育ち、18歳で呉に嫁ぎ、北條家の一員として戦時中の暮らしを送ることになります。最初は不慣れな土地や慣れない嫁ぎ先で戸惑いながらも、持ち前の明るさと優しさで、少しずつ家族や周囲の人々と心を通わせていきます。

空襲や物資不足といった苦しい状況のなかでも、すずは日々の生活に工夫とユーモアを忘れず、日常を大切に積み重ねていきます。その姿は、観る人に“普通の生活がいかに尊いものか”をそっと教えてくれるようです。

北條周作(CV:細谷佳正)

すずの夫で、呉に住む北條家の長男。海軍に勤める文官で、穏やかで理知的な雰囲気を持つ男性です。広島市の浦野家に見合いを申し込み、すずと結婚。最初はどこか不器用で感情を表に出しにくいところがありますが、すずのまっすぐな優しさやたくましさに触れ、少しずつ距離を縮めていきます。

戦争が激化する中でも、すずの心の支えになろうとする姿や、彼なりの愛情の示し方が静かに描かれ、言葉少なでも深い思いを抱えていることが伝わってきます。すずと共に、ただ「日々を生きる」ことの重みと愛しさを感じさせてくれる存在です。

水原哲(CV:小野大輔)

すずの幼なじみで、幼い頃から彼女にとって少し特別な存在だった青年。すずの実家・浦野家の近所に住んでおり、少年時代には一緒に遊んだり、海辺で過ごしたりと、無邪気な時間を共有してきました。やがて哲は海軍に入り、戦地へと赴くことになります。

再会したとき、彼の言葉や態度からは、戦争によって変わりゆく時代の重みと、すずに対する淡い想いがにじみ出ています。彼の存在は、すずにとって「もしも」の人生を想像させる存在であり、物語に切なさと余韻をもたらしています。

浦野すみ(CV:潘めぐみ)

すずの妹で、浦野家の次女。姉のすずとは対照的に、しっかり者で現実的な性格の持ち主です。子どもの頃から頭の回転が速く、姉を少しからかいながらも、心の奥では誰よりも大切に思っています。

戦時中という厳しい状況のなかでも、自分の道をまっすぐに歩もうとする意志の強さが感じられる人物で、看護の道に進むなど、自立した女性としての姿が印象的です。姉妹としての微妙な距離感や、年を重ねていく中での変化も丁寧に描かれており、観る人の心に残る存在となっています。

北條径子(CV:尾身美詞)

周作の姉で、すずにとっては義姉にあたる存在。夫を戦争で亡くし、娘の晴美とともに実家である北條家に戻ってきます。気丈で少し厳しい印象を持たれることもありますが、それは過酷な時代を生き抜く覚悟と、家族を守ろうとする責任感からくるもの。最初はすずに対して冷たく接することもありますが、少しずつ互いに理解を深めていきます。戦争の影が色濃くのしかかるなか、彼女の存在は物語に緊張感と現実味を与えています。

黒村晴美(CV:稲葉菜月)

径子の一人娘で、すずにとっては姪にあたる少女。天真爛漫で人懐っこく、すずにすぐ懐きます。すずと晴美のやりとりは、作品全体の中でも特にあたたかく、癒しのあるシーンを生み出しています。彼女の存在がすずの心を支える一方で、物語の後半では深い悲しみをもたらす重要な役割も担っています。

白木リン(CV:岩井七世)

呉の遊郭で働く女性。すずとは偶然の出会いから心を通わせ、立場の違いを超えて友情のような関係を築きます。芯の強さと優しさを併せ持ち、物語にもう一つの視点を与えてくれる存在です。戦争という同じ時代を生きながら、異なる場所で異なる人生を歩む女性として、すずとの対比が印象的です。

【この世界の片隅に】見どころ

何度観ても、心の奥がじんわりと温かくなる――
【この世界の片隅に】が多くの人の心を打つのは、ただ戦争を描くだけの作品ではないからです。爆撃や空襲といった非日常のなかにも、日々の暮らしを営む人々の笑い声や、小さな幸せが確かに存在している。

この作品には、派手さはないけれど、静かに心を揺さぶるシーンが随所に散りばめられています。ここでは、そんな【この世界の片隅に】の見どころを、いくつかの視点からご紹介していきます。

【見どころ1】戦時下でも続く「日常」のかけがえのなさ

爆撃や物資不足に見舞われる厳しい時代でも、人々はごはんを作り、洗濯をし、笑い合いながら日々を生きていました。本作では、そうした日常の何気ない瞬間が、丁寧で優しい描写によって描かれています。
すずの目線を通して見る日常は、どんな状況でも人は「暮らしていく」のだという静かな力強さを感じさせてくれます。

【見どころ2】繊細で美しいアニメーション

柔らかな色合いと手描きの温もりが感じられる背景、すずの描くイラストがそのままアニメに溶け込むような演出など、映像表現にも注目です。季節の移ろいや町の風景、光と影の描き方まで緻密で、観る人の心にそっと寄り添うような美しさがあります。

【見どころ3】キャラクターたちの“生きた”感情

すずをはじめとする登場人物たちは、どこにでもいそうな普通の人たち。それぞれに悩みや葛藤を抱えながらも、人とのつながりを大切にし、小さな幸せを見出して生きていく姿が描かれています。観る人が自分の人生と重ねたくなるような「等身大の感情」が、この作品の魅力の一つです。

【見どころ4】“声”の力── のんが演じるすずの存在感

主人公・すずを演じたのんさんの声の演技も、本作を語るうえで欠かせません。やさしく、どこか天然で、おっとりとしたすずの雰囲気が、のんさんの声を通してまさに「生きている」ように感じられます。声優というより“すず本人”がそこにいるような感覚を味わえます。

実際に観た筆者のレビュー&感想

菜月

5.0/5.0

のんさん主演を楽しみに観た【この世界の片隅に】。すずが右腕を失い絵が描けなくなるシーンに、自分の脳梗塞でイラストが描けなくなった経験が重なり、何度も涙をこらえました。過去の絵を回想する場面では思わず嗚咽してしまうほど胸に響きます。名作は時を経ても色褪せません。

実際に見た人たちのレビュー&感想

50代・男性

5.0/5.0

『この世界の片隅に』は、静かな日常の中にある喪失や希望を丁寧に描いた作品。泣かせの演出はないのに自然と涙がこぼれ、何度でも観返したくなる。すずの素朴な視点や、のんさんの声の優しさが胸に残り、観るたびに新たな発見がある。本当に、大切にしたい一本です。

30代・女性

5.0/5.0

『この世界の片隅に』は、ただの戦争映画ではなく、当時の人々の日常や温かさを静かに描いた傑作です。戦争の不条理に翻弄されながらも、すずの絵のように優しさがあふれ、観る人の胸に深く響きます。

観た後に感情を書かずにはいられないほどの余韻があり、今の社会に生きる私たちにも大切な問いかけをしてくれます。何度観ても新しい発見があり、心に灯りをともしてくれる作品です。ぜひ多くの人に観てほしいと思います。

30代・男性

4.0/5.0

『この世界の片隅に』は、お涙ちょうだいとは違い、ほっこりと温かさを感じる戦争映画です。すずのたくましい姿や、呉の街の描写が魅力的で、のんさんの声も自然でいい味を出しています。

空襲のリアルな描写は震災のトラウマを思い出させるほどですが、日常生活はリアルでありながら、どこか軽やかさもあります。戦争の重さを深く掘り下げたい人には物足りないかもしれませんが、違った角度から戦争を考えさせてくれる作品です。

人それぞれ受け取り方は違いますが、新しい戦争アニメとして一度は観てほしい映画です。

【この世界の片隅に】ネタバレを紹介

※本記事では、ネタバレを含みます。まだ作品をご覧になっていない方は、ぜひ一度ご自身の目でこの物語を味わってから読んでいただくことをおすすめします。

【この世界の片隅に】は、一見すると穏やかな日常を描いた作品ですが、その裏には戦争の現実や喪失、そしてそれを乗り越えようとする人々の姿が静かに、けれど確かに描かれています。
このセクションでは、すずを中心としたストーリー展開や、心に残る場面を振り返りながら、物語の全体像をたどっていきます。あのラストに込められた意味や、すずの心の変化に改めて触れてみてください。

昭和の広島──すずの日常が始まる

物語の舞台は昭和19年(1944年)の広島市・江波。主人公・浦野すずは、のんびり屋だけど絵を描くのが得意な女の子。ある日、彼女の元に縁談が持ち込まれ、呉に住む北條周作のもとへ嫁ぐことになります。

慣れない土地、知らない人々との生活に戸惑いながらも、すずは持ち前の明るさと柔らかな心で、嫁ぎ先の北條家の一員として、少しずつ生活になじんでいきます。

戦争が“日常”に入り込んでくる

呉は軍港の町であり、次第に空襲の危険が高まっていきます。物資も不足し、食料や日用品にも事欠く日々。それでもすずは、身近な素材を使って料理を工夫したり、草花を描いたりして、日々の暮らしにささやかな彩りを添えていきます。

一方、義姉の径子とその娘・晴美との関係も少しずつ変化していきます。晴美はすずになつき、家族としての絆が強まっていくのですが、そんな日常に突然の悲劇が訪れます。

左手と晴美を奪った空襲

昭和20年(1945年)のある日、呉に空襲が襲いかかります。外出中だったすずと晴美はその爆撃に巻き込まれ、すずは利き手の右手を失い、晴美は命を落としてしまいます。

それまで懸命に築いてきた“普通の暮らし”が、一瞬で壊されてしまった現実。自責の念と深い喪失感にすずは心を閉ざし、北條家の人々とも距離を取るようになります。

そして原爆──終戦の知らせと「それでも生きる」こと

広島に原子爆弾が投下され、すずの故郷・江波の家族の消息は途絶えます。すずは、何もかもが失われていく現実の中で、何を信じて生きていけばいいのか分からなくなっていきます。

そんなある日、呉の町で焼け跡のなかをさまよう孤児の少女と出会い、すずはふたたび誰かを守りたい、共に生きていきたいという思いを取り戻します。たとえ不完全な身体でも、深い傷を抱えていても、「この世界の片隅」で誰かと手を取り合って生きていく。その覚悟と優しさが、彼女の中に芽生えていきます。

ラストシーンに込められた希望

物語の終盤、すずは孤児の少女を北條家に迎え入れ、新しい家族の一員として共に暮らし始めます。何もなかった土地に、また新しい暮らしの灯がともる──それが、過酷な時代を生きた彼女なりの「再生」の一歩だったのです。

タイトルにもある「この世界の片隅に」は、どんなに時代が変わっても、誰かの暮らしや小さな幸せが確かに存在しているという、静かだけれど力強いメッセージを投げかけています。

まとめ

【この世界の片隅に】は、戦争の影が色濃く残る時代を背景にしながらも、そこに生きる人々の温もりや日常の大切さを繊細に描いた作品です。重たいテーマながらも、観る人の心にそっと寄り添い、見終わった後も長く心に残ります。何気ない一瞬の尊さを感じたい方に、ぜひおすすめしたい映画です。

ABOUT ME
菜月
年間200本以上アニメや動画を見ています! 記事執筆も依頼記事も含めて500件越えの実績ありです。 たくさん見ている映画やアニメ、ドラマのおすすめの情報や面白い情報を発信しています! ぜひ参考にしてください!