夢を追い続ける者と、夢を諦めきれない者。
2025年3月20日に公開された映画【ネムルバカ】は、才能と現実の狭間でもがく若者たちの姿を繊細に描いた青春ドラマです。
原作はタナカカツキの同名漫画。静かながらも強烈な感情のぶつかり合いが胸を打つ本作のあらすじやキャスト、見どころをわかりやすくご紹介します。


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映画【ネムルバカ】作品概要
2025年3月20日に公開された映画【ネムルバカ】は、人気漫画家・タナカカツキによる同名コミックを原作とした青春ドラマです。
音楽活動を続ける女性と、彼女を見守るルームメイトの静かな関係を軸に、夢と現実、才能と挫折、そして友情のもろさを描き出します。
感情を爆発させることなく、静かに、しかし確かに心を揺さぶる本作は、観る者に“自分の居場所”について問いかけてきます。
作品情報
タイトル | ネムルバカ |
公開日 | 2025年3月20日 |
上映時間 | 106分 |
制作国 | 日本 |
配給 | ポニーキャニオン |
監督 | 阪元裕吾 |
あらすじ
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの阪元裕吾監督が、漫画家・石黒正数の同名青春コミックを実写映画化。
大学の女子寮で同じ部屋に住む後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカ。ルカはインディーズバンド「ピートモス」のギター&ボーカルとして夢を追っているが、入巣は特に夢や目標のないまま、古本屋で何となくアルバイトする日々を過ごしている。2人は安い居酒屋で飲んだり、暇つぶしに古い海外ドラマを観たりと、緩く心地よい同居生活を送っていた。そんなある日、ルカに大手音楽レコード会社から声が掛かったことで、2人の日常は大きく変わりはじめる。
アイドルグループ「乃木坂46」の久保史緒里が入巣役、「恋は光」の平祐奈がルカ役でダブル主演を務め、入巣の大学の同級生・田口を綱啓永、田口の友人・伊藤を樋口幸平、入巣のアルバイト先の先輩・仲崎をお笑いコンビ「ロングコートダディ」の兎が演じる。原作者・石黒正数が主題歌「ネムルバカ」の歌詞を手がけ、原作にも登場する歌詞を踏まえつつ新たな歌詞を書きおろした。
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出演キャスト
役名 | 俳優名 |
入巣柚実 | 久保史緒里 |
鯨井ルカ | 平祐奈 |
田口 | 網啓永 |
伊藤 | 樋口幸平 |
仲崎 | 兎 |
ジャガー・モリィ | 儀間陽柄 |
DAN | 高尾悠希 |
岩徹 | 長谷川大 |
荒比屋 | 伊能昌幸 |
粳間 | 吉沢悠 |
ファミレス店員 | 稗田寧々 |
ナビ子(声) | 立花日菜 |
「偏愛ストラクチュア」ボーカル(声) | 岩田陽葵 |
映画【ネムルバカ】の見どころを紹介
映画【ネムルバカ】は、一見静かな物語の中に、誰もが抱える葛藤や焦燥感を丁寧に描いた青春ドラマです。
夢を追い続ける者と、夢を見失った者。ふたりの女性の対照的な生き方を通して、観る者の心に静かに問いかけてきます。
ここでは、そんな本作の魅力や注目すべきポイントを3つに絞ってご紹介します。
【見どころ1】夢と才能のギャップに揺れるリアルな青春描写
『ネムルバカ』は、夢を持ち続けることの苦しさと、それを支える友情のもろさを描いた作品です。
主人公の音楽活動に情熱を燃やす“タマ”と、何者にもなれない自分に苛立つ“ユキ”の関係は、共感と切なさを呼びます。
【見どころ2】静けさの中に宿る感情の揺らぎ
派手な演出は控えめながらも、会話や表情、沈黙の“間”によって丁寧に感情を積み上げていく演出が光ります。
日常の中にひそむ違和感や焦燥感を巧みに表現しており、「言葉にしきれない思い」を繊細にすくい取った演出が高評価。
【見どころ3】原作の空気感を大切にした映像表現
原作漫画の独特な間やテンポ、感情のグラデーションを、映画でもしっかりと再現。
ミニマルで飾り気のない映像が、かえって登場人物の内面を浮き彫りにします。
原作ファンからも「世界観を壊していない」「原作の余白を活かした演出が良い」と高評価。
映画【ネムルバカ】を実際に観たレビュー・感想
5.0/5.0
『ネムルバカ』は阪元裕吾監督の非アクション青春映画。久保史緒里と平祐奈が演じる後輩と先輩の日常のゆるい会話と、売れそうにないバンド活動がリアルに描かれ、特にラストのライブシーンは感動的。笑いと切なさのバランスが良く、若者の焦燥感が伝わる注目作です。
4.5/5.0
『ネムルバカ』は後輩目線で見る先輩のキラキラ感が面白い青春映画。監督の若さと主演2人のリアルな演技が光り、特に平祐奈のバンドシーンが印象的。ラストのタイトルシーンは感動的。平祐奈のルカ役は原作とイメージが違うとの声もあるが、久保史緒里の入巣役は好評。リアルな若者の悩みと成長を描いたおすすめ作。
4.0/5.0
『ネムルバカ』は邦画らしい青春音楽映画で、阪元裕吾監督の細やかな演出と、久保史緒里・平祐奈の自然な演技が光ります。夢に向かう若者たちの葛藤や成長がリアルに描かれ、特にラストのライブシーンは感動的です。綱啓永の新たな一面も見どころ。邦画の音楽青春ものが好きならぜひ観てほしい作品です。
原作について
映画【ネムルバカ】の原作は、石黒正数による同名漫画で、2008年3月に徳間書店の「COMICリュウ」から単巻で刊行されました。
大学の女子寮で暮らす後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカという二人の女子大生を中心に、“青春とは何か”をやわらかく、しかし確かに描き出す短編作品です。
石黒先生自身が20代の頃に描いた、切なさとリアルが共存する等身大のモラトリアムを映した傑作として、多くの読者の心に深く刺さり続けています
原作者紹介
石黒正数(いしぐろ・まさかず)は、福井県出身の漫画家で、2000年に「ヒーロー」でデビューしました。代表作は『それでも町は廻っている』『木曜日のフルット』『天国大魔境』など。
ジャンルを問わず幅広い作品を手がけ、独特のユーモアと日常描写で多くのファンを魅了しています。
【ネムルバカ】は2006〜2008年に『月刊COMICリュウ』で発表された短編で、夢や葛藤を抱える若者たちの心情を繊細に描いています。
原作のあらすじ
女子大生・入巣柚実は、大学寮で先輩の鯨井ルカと暮らしているが、無気力な日々を過ごし、将来に悩んでいる。一方ルカは、インディーズバンドのボーカルとして音楽の夢を追い続けていた。
ある日、同級生がルカに告白したことをきっかけに、柚実は自分の立ち位置に揺らぎを覚える。才能ある友人への憧れと劣等感、すれ違う友情の中で、ふたりの関係は少しずつ変化していく。
やがてルカは音楽でプロデビューし、寮を去る。柚実は彼女のライブで“ネムルバカ”という曲に出会い、ルカの想いに触れるのだった。
原作の感想
石黒正数の『ネムルバカ』は、無気力な後輩と夢に向かって頑張る先輩が織りなす、リアルな大学生活を描いた作品です。センスのいいギャグやモブキャラのやり取りが絶妙で、誰もが感じる「何者にもなれない」もどかしさが胸に刺さります。先輩の言葉や音楽業界の厳しさもリアルで、ラストの曲「ネムルバカ」に込められた思いがずっと心に残りました。映画版も原作の空気感をしっかり再現していて、ファンも初めての人も楽しめる良作です。
実写映画化をきっかけに原作を読みましたが、今の時代にも響く物語だと感じました。主人公ルカのはっきりした性格や、大学生らしい葛藤がリアルに描かれています。夢や目標に向かう途中での壁は想像と違うかもしれないけど、それが普通だと教えてくれます。そんな中でも「自分のやりたいことをしよう」と思わせてくれる温かい作品です。映画も原作の良さをよく再現していて楽しめました。
『ネムルバカ』は、目的もなくモヤモヤ生きる若者たちのリアルな焦りがグッと来る作品です。特に先輩が「意味わかんねぇ」と言うシーンが印象的で、目標がブレない人は運がいいっていう言葉にも共感できます。
映画化も話題で、2000年代のモラトリアム感を今の時代にどう映すか注目されています。終わり方もすごく好きで、「やりたいことある人」と「ない人」の間で揺れる心情が上手く描かれていて刺さります。青春の迷いや葛藤を丁寧に描いた作品です。
【ネムルバカ】ネタバレ・解説
映画【ネムルバカ】は、若者の青春と葛藤を繊細に描いた音楽ドラマです。本記事では、物語の核心に迫るネタバレを含みつつ、登場人物の心情や作品のテーマ、演出の特徴などを詳しく解説していきます。まだ観ていない方はご注意ください。
あらすじネタバレ
女子大学生の入巣柚実(久保史緒里)は、大学寮〈冴羽女子寮〉で先輩の鯨井ルカ(平祐奈)とルームシェアしています。柚実は当初、規則正しい生活を心掛けていましたが、次第に日々を惰性で過ごし、留年の危機に直面します。
一方、ルカはインディーズバンド「ピートモス」のギター&ボーカルとして、本気で音楽の世界を目指しながらも、資金面や精神面で厳しい現実に直面しています。大学の同級生・田口からの告白により、友情や感情のズレが生まれます。
やがてルカは音楽事務所からソロデビューのオファーを受け、大学を辞めて「謎のシンガーA」として活動を開始。柚実はルカのライブに招待され、最後の曲「ネムルバカ」を聴き、ルカはその後、姿を消します。
入巣柚実の視点と先輩ルカの存在
物語は基本的に入巣の視点から描かれており、ルカは彼女の目に映る理想化された存在として描かれます。ルカのキラキラした姿は、後輩である入巣の憧れや葛藤の象徴であり、現実と理想のギャップを浮き彫りにします。
「駄サイクル」と若者の焦燥感
原作漫画や映画では「駄サイクル」という言葉が象徴的に用いられ、目的ややりたいことが見えず、ただ時間を浪費してしまう若者たちの心情を表現しています。登場人物たちは夢と現実の狭間で揺れ動き、苦悩しながらも少しずつ成長していきます。
音楽と自己表現
ルカのバンド活動は、成功が見えにくい中でも自分のやりたいことを貫く姿勢を示しています。ラストのライブシーンで歌われる「ネムルバカ」は、彼女の覚悟と変化の象徴であり、観客にも強い印象を与えます。
映画版の特徴
阪元裕吾監督は原作の世界観を尊重しつつも、女子大生たちの日常会話のユーモアやシスターフッドの要素を映像的に巧みに表現しました。主演の久保史緒里と平祐奈の演技もリアルで、原作ファンから未読の視聴者まで幅広く支持されています。
まとめ

映画【ネムルバカ】は、夢と現実の狭間で揺れ動く若者たちの葛藤をリアルに描いた青春音楽ドラマです。入巣柚実と鯨井ルカという対照的な二人の成長を通じて、観る者に共感と感動をもたらします。阪元裕吾監督の繊細な演出と主演キャストの熱演により、原作漫画の魅力が見事に映像化された作品として高く評価されています。青春の儚さと輝きを味わいたい方におすすめの一作です。